第58回 理学療法士・作業療法士国家試験の結果
3月23日に結果が出ました。
結果は。。。
理学療法学科 118 名、作業療法学科 36 名 ともに受験した学生すべてが合格しました。
合格率100%です。
理学療法学科においては合格者の数は日本一ということで更に嬉しさ倍増しております。
作業療法学科においては2年連続100%です。
次年度も引き続き学習支援に尽力したいと思います。
作業療法学科、国家試験対策部屋をのぞいてみよう
国家試験って難しいの?
どんな勉強をしてるの?
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか
作業療法学科の国家試験対策部屋を紹介し
合格率100%の秘訣をお伝えします
「 解剖学 、 生理学 」
解剖学は身体の臓器が
『どんな形になっていて、なんという名前がついているか』
『それぞれの臓器の位置関係はどうなっているか』
が問われる科目です
そこで下のようなイラストを描いて、臓器の位置関係を意識しながら壁に貼っていきます
肝臓が右、胃は左に
肝臓と胃は両方とも横隔膜の下に
肝臓のすぐ下に胆嚢がくっついていて
胃の後方に膵臓が隠れています
↑
これ、文字だけ読んでもイメージ湧きにくいですよね
なので、イラストを作って位置関係を意識して、壁に貼ってみようというアイデアです
教科書にも同様の図はあります
しかし、教科書は開かない限り目に入ることはありません
【確実に覚えたいことを壁に貼る作戦】
は、その情報を見る頻度と時間を増やし、記憶の定着につながります
次は 「 人間発達学 」 です。
赤ちゃんがどれくらいの月齢で
どんなことができるようになるか
という遠城寺式発達検査についての工夫です
3ヶ月でおもちゃを持つ
6ヶ月でブロックを左右の手で持ち変える
10ヶ月で人見知り
12ヶ月でパパ、ママなどの単語を2語言える
13ヶ月でお菓子などの包みを開けて食べる
14ヶ月で簡単なお手伝いをする
16-17ヶ月で積み木を二つ積む
18ヶ月で走る…
これらを全て文字で覚えるのは至難の業です
こうすると
言葉だけでなく視覚的なイメージで思い出せる可能性も出てきます
【文字→イラストで視覚的イメージ強化作戦】
は、動きに関する図やイラストが多数出題される国家試験では有効な作戦といえます
決して簡単とは言えない国家試験ですが
みんなで工夫して学習しています
学生みんなががんばっていたからか…
クリスマスプレゼントが届きました
工夫して楽しみながら国家試験に臨む
作業療法学科の紹介でした
作業療法の作業とは?
ども、作業療法学科の教員Aです。
よく周囲に「作業療法って何をしているの?」、「作業って何か手作業?」
などと聞かれます。八千代リハビリテーション学院のブログでも何度かお伝えしたかと思いますが、今回は模擬授業で実施した「作業」についてお伝えしたことを書きたいと思います。
そもそも作業?OT?などを聞いても具体的に何をしているのか分かりにくいですよね。そこで分野、働いている場所、対象者、どんな治療?について簡単ではありますが説明します。
<どのような分野があるのか>
- 身体障害分野 :病気やケガによる影響で身体に障害がある方が対象
- 精神障害分野 :こころの病気による生活障害のある方が対象
- 発達領域分野 :18歳までのこころや身体に障害がある子供が対象
- 高齢期障害分野:主な疾患をもとに加齢に伴う症状を呈した高齢者が対象
<働いている場所>
- 医療施設(身体障害・精神障害)
- 高齢者福祉施設
- 児童福祉・障害者福祉施設
- 福祉行政機関
- 自動車教習所など
<作業療法の対象者>
身体障害:脳血管障害、高次脳機能障害、など
精神障害:統合失調症、気分障害など
発達障害;脳性まひ、AD/HDなど
高齢期障害:認知症、疾患を抱えた高齢者
<どんな治療?>
- 身体機能の回復:生活上で困っていることの改善や身体機能の改善に対して直接または道具を用いて治療します
- 精神障害の回復::日常生活が安定し、また社会生活が送れるように練習し、不安やストレスに上手く向き合えるようにします
- 高齢期障害;加齢に伴う疾患や生活障害に対して、生活が豊かになるように支援します
- 発達障害:教育面と療養面に対して関わることにより、就学や社会生活の獲得を目標においた関わりを行います
以上となります。少しでも作業療法のことが分かりましたか?不明な点はぜひとも八千代リハビリテーション学院のオープンキャンパスに来て質問や確認をしてくださいね。
※下記URLに日本作業療法士協会のHPがあり、実際の動画を閲覧できます
作業療法学科の実技試験の様子を紹介したいと思います。
今回は関節可動域測定の実技試験を行いました。
関節可動域測定とは身体の各関節がどのくらい動くかをゴニオメーターという専門の器具
で測定します。
こちらがゴニオメーターです。
測定する関節の大きさに合わせて器具の大きさも変更します。
一番下のカタツムリのような器具は指専用のゴニオメーターです。
試験は3人一組で行い、作業療法士役・患者役・撮影者にわかれ、順番に行います。
実際に患者さんと関わっている場面を想定し試験を実施します。
教員は測定場面を観察し、適切な説明や声掛けができているか、正しい位置に器具を当て
ることができているかなどをチェックします。
基準となる骨にしっかりと合わせることができるか、その位置で目盛りを読むことができ
るのかなど一つ一つ丁寧に行っていきます。
動かせる範囲をしっかり動かしてから器具を当てる。
関節の固定と器具の操作を同時に行うため、繰り返し練習しコツをつかむ必要があります
。
適度な緊張感で、皆真剣に試験を受けていました。
試験終了後は撮影した動画を見返し、振り返りを行います。
試験を行っているときは緊張してしまい、どのような声掛けを行ったのか、どのように関
節を動かしたのかはっきり覚えていないことがあります。撮影した動画を見返すことで、
振り返ることができ、どこがうまく行えていたのか、どこを改善したら良いのかを知るこ
とができます。
このように練習と試験を繰り返し行い、実際に患者さんと関わった際にスムーズに測定が
できるように準備を行っていきます。
作業療法士はこのような検査・測定を行いながら心身の状況を把握し、日常生活が安定し
て行えるように関わっていきます。
生活を送るには、なにか行動を起こそうという気持ちになり、体を動かすために筋肉が働
き、関節が動き、物を操作するためには物との距離がつかめ、触った感覚がわかるなど様
々な能力が必要です。
実は、生活に関わっていくには様々なことを知る必要があるのです。
作業療法士についてもっと知りたいと思ったか方はぜひ、オープンキャンパスへ参加して
ください。
作業療法士の魅力・楽しさをご紹介いたします。
新人紹介
新たな挑戦
みなさん、初めまして。作業療法学科の専任教員の望月 真樹と申します
令和4年3月16日付けで、当学院に入職しました。
私が作業療法士を目指したのは今から約17年前になります。
趣味で続けていたスポーツの用品店を退職し悶々としている時でした。以前けがをした際に、親身になってこころやからだのケアをしてくださった療法士の先生のことを思い出し、自分も人の役に立てるリハビリの先生になってみたいと思ったのがきっかけでした。
思い立ってすぐ、八千代リハビリテーション学院をインターネットで見つけ思い切って願書を提出しました。正直、社会人になり数年たった私は勉強の仕方をすっかり忘れていたのを覚えています。私にとっては大きな挑戦でした。なんとか入学試験は無事合格し作業療法学科夜間コース2期生として入学することができました。学院卒業後は、一般社団法人巨樹の会 八千代リハビリテーション病院に入職しました。八千代リハビリテーション病院では回復期リハビリ病棟や訪問リハビリに13年従事しました。17年前作業療法士を目指した時から様々な挑戦の連続だったように思います。そして今年、当学院の教員となりました。これからOTを目指す社会人や高校生の方にオープンキャンパスやガイダンスでお会いできるのが楽しみです。ぜひお声をかけていただければ幸いです。
ヤチリハ名物OT国家試験対策部屋
2月20日には理学療法士、作業療法士の国家試験があります。
身体の構造に関する解剖学
骨・関節・筋がどのように働いて動いているかを学ぶ運動学
呼吸や心臓の働きなど命を維持する仕組みに関する生理学
このように科目を並べてみると…
『なんだかとっても難しそう』という印象を受けると思います。
難しいことを
難しい顔で学ぶより
工夫して
楽しみながら学んだ方が継続しやすく効率も良いです。
下の写真は作業療法学科名物の国家試験対策部屋の様子です。
ポスターを使ったヤチリハの勉強の工夫について2つ紹介します。
①手続き記憶を使う
写真は足の解剖学・運動学に関して学生が作ったポスターです。
足を内側から見た図です。
内くるぶしの近くを通る筋肉や血管、神経は国家試験でよく問われる項目です。
ここで質問です。
『りんご』の絵と、『かき』の絵、どちらが描きやすいですか?
『チューリップ』の絵と、『たんぽぽ』の絵ではどうでしょうか?
おそらく『りんご』と『チューリップ』が描きやすいという人が多いのではないでしょうか?
理由は『何回か書いたことがあり、書き方をなんとなく分かっているから』です。
これは『手続き記憶』といい
実は非常に忘れにくい記憶方法です。
自転車の乗り方や、泳ぎ方は、しばらくやってなかったとしてもできなくなるということはありません。
りんごやチューリップの絵も同様ですね。
図で書いて学びやすい解剖学や運動学は、繰り返し図を書いて『手続き記憶』にすることで、忘れにくい学習をすることができます。
②環境を有効活用する。
こちらの写真は生理学に関するポスターです。
『12本の鉄火巻き』は
十二指腸では、『鉄』と『カルシウム』と『マグネシウム』が吸収できるという語呂合わせです。
誰かが見つけたり、考えたりした覚えやすい工夫をポスターにして部屋中に貼ります。
すると、知識やアイデアをシェアすることができます。
今年実際にあった会話です。
『鉄火巻きの語呂合わせいいよね、分かりやすい』
「これ○○さんが見つけて書いたんだよ」
『先生も模試で鉄の吸収が出題された時に、このポスターのおかげで正解できた人多いんじゃないかなって言ってた』
「でもこのポスター見てるとお腹空くよね(笑)」
『わかるー(笑)』
一人で語呂合わせを見つけて勉強するよりも、壁に貼ってみんなでシェアすることで話題になります。
試験に
【十二指腸で吸収できる栄養素は何か?】
と出た時に
『あー、あの見るだけでお腹空く12本の鉄火巻きの問題だから、鉄とカルシウムとマグネシウムだ!』
と思い出すことができます。
これは『エピソード記憶』の活用の実例です。
言葉の意味を覚える『意味記憶』は、似たようなものが多いと混同して
『あれ、どっちだったかな…』
というように
思い出す時に困難さを伴うことがあります。
ヤチリハの国家試験対策は、部屋中にポスターを貼り、そこから生まれるコミュニケーション、つまり『エピソード記憶』を残していく環境を整えて取り組んでいます。
なんだかとっても難しそうな国家試験
意外と楽しく勉強してるヤチリハの様子の紹介でした。
片手用の爪切り(自助具)を作ってみました。
八千代リハビリテーション学院、作業療法学科教員の椛島(カバシマ)です。
今年の4月に小倉リハビリテーション学院(北九州市)より転勤してきました。
というより、4年ぶりに八千代リハビリテーション学院に帰ってきました。
4年も経つと知っている在校生は一人もいません。しかし、実習地訪問の時に卒業生と会う機会がありました。学生を指導する立場になった姿を見ることができ、とても嬉しい気持ちになりました。
ところで話は変わりますが、爪切りの話をします。
右手の爪を切るときは、左手で爪切りを操作します。
左手の爪を切るときは、右手で爪切りを操作します。
つまり、両手の爪を切るためには、左右の手で爪切りを操作することが求められます。
脳卒中などで半身が麻痺した患者さんは、麻痺した手の爪を切ることはできても、麻痺していない手の爪を切ることはとても困難です。
そんな時に活躍するのが自助具です。自助具とは、「自らを助ける道具」のことです。
片手で爪を切ることができる自助具が市販されていますので、紹介させていただきます。
板の上に手を乗せて
手で板を下に押すと、爪切りのレバーが押されて爪が切れる仕組みになっています。
作業療法士は、身体機能を回復する訓練を行うことはもちろんですが、患者さんに適した自助具を紹介することも重要な仕事の1つです。そのため、自助具に関する幅広い知識が求められます。
ちなみに、この片手用の爪切りの価格は3000円程度です。
とても便利なものですが、ちょっと高価です...。
そこで、自作してみました。
市販品と並べるとこんな感じです。
材料は、100円ショップで販売されている爪切りと釘10本、ボルトとナット各1個、学院にあった木材の切れ端などです。
かかった費用は部品代で200円程度だと思います。
そして、費用だけでなく市販されている商品より優れていることがあります。
市販されている片手用の爪切りは、親指の爪がとても切りにくいのです。
何故かというと、人間の親指は、その他の指と比べて向いている方向が違うからです。
そのおかげで、物をつまんだりすることが上手にできるのですが。
爪切りの刃と爪の方向が合いません。
しかし、私が自作した爪切りでは簡単に切ることができます。
安価である上に高機能!
作業療法士は、自助具を紹介するだけでなく、「作る」こともします。
また、1人の患者さんのためだけに、新しく自助具を開発することもあります。
世界に1つだけの自助具。その自助具によって、患者さんの生活がより良いものになる。
作業療法士って、ちょっとステキじゃないですか?
作業療法士に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
八千代リハ 国家試験対策 作業療法学科名物
季節の変わり目肌寒くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。
作業療法学科教員の勝木です。
さて、10月から2月20日の国家試験3月23日の合格発表に向けて国家試験対策がスタートしました。
今回は作業療法学科の国家試験対策の一部を紹介します。
国家試験は「個人戦」ではなく「団体戦」です。ひとりひとりが「必ず合格」することを目指し、クラス全体が「必ず合格」することを実現します。
その方法の一つが国家試験対策の「王道」のひとつグループ学習です。
グループでは過去の国家試験問題を解いて問題を解くために必要な知識を整理して一枚のポスターにわかりやすくまとめて「覚えるもの」をしっかりと覚えていきます。
Before
After
八千代リハビリテーション学院 作業療法学科ではこのような、必要な知識を整理するグループ学習を1年生、2年生から行います。
調べる・まとめる・ポスターにするという「作業」とグループメンバーにポスターの内容を説明するという「表出(アウトプット)」とグループ内で「記憶」できているか確認し合い時間と作業の共有を繰り返しながら知識を蓄積させていきます。
3年生の国家試験対策が始まるころにはひとりでも多くの学生が「学び合う力」「調べて理解する力」「相手に伝える力」を育んでいけるように取り組んでいます。
今年の3年生を見ていると1,2年生のころから、しっかりとグループ学習に取り組んできたんだろうなぁと想像できるくらい良い感じでスタートが切れています。
あとは良い結果をだすだけです。
合格への道に近道はありませんが、日々の取り組みで確実に前進できています。
きついこと苦しいこともあるかもしれませんが、教員含め全員で2月20日まで走り切りましょー!
私は100%合格を疑いません。いまから合格発表が楽しみです。
作業療法学科 合格率100%です。ご期待ください。
ランチタイム
作業療法学科教員の山下です。
新年度が始まり早くも3ヶ月が過ぎ、期末試験まで1ヵ月をきってしまいましたね。
現実逃避したい学生さんも多いかもしれません。
さて、感染防止の観点からの【黙食】は会社や学校、飲食店などでも浸透してきているのではないでしょうか?
当学院作業療法学科の1・2年生の昼休みの教室の光景です。
最初は数回様子を見に行き、黙食の協力を促していましたが、いつしか何も言わずとも黙食している姿に日々感心しています。
いつも率先して行動してくれてありがとうございます!
小さなことかもしれませんが、黙食を心掛け、続けようとしている皆さんの姿を見ることで、改めて自分自身ができる予防をコツコツと続けることが重要だなと感じます。
ストレスのかかる状況で日々新たな事を学ぶ皆さんが、少しでも安心して学院生活が送れるようにサポートしていきたいと思いますので、一緒に頑張っていきましょうね!
嬉しいことがありました!
最近の遠隔授業なども勧められるこのご時世において、授業を行う中で悩まされることがあります。
それは授業資料へのイラスト使用についてです。イラストが載った資料の配布は問題ないですが、配信では問題になる場合があります。
私は精神面の作業療法を担当しており、説明する上でどうしてもイメージ化が難しく、イラストや動画に頼る部分が大きくなりますが、イラストに制限がかかるので結構困っていました。そんな中、中村ユキ先生の作品で「我が家の母はビョーキです」(サンマーク出版)は病気の特徴を分かりやすく漫画で描かれており、とてもイメージしやすく、イラストを使用したいと思いました。そこでダメ元で中村先生のHPからメールで相談してみたところ、すぐにご返事をいただき、授業資料への引用や授業配信にて使用許可が得られました。単純にとても嬉しい気持ちになり、中村ユキ先生のご厚意にとても感謝いたします。
そしてこのイラストを通して少しでも病気を持つ人やご家族の気持ちを授業へ反映できればと思います。