八千代リハビリテーション学院

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学院長×副学院長対談 SPECIAL INTERVIEW

学院長×副学院長
SPECIAL INTERVIEW

八千代リハビリテーション学院 学院長

千葉みなとリハビリテーション病院 院長 兼務

片山 薫

八千代リハビリテーション学院 副学院長

 

野見山 通済

医療従事者と学生の間にある「差」を埋めるために
現場のセラピストによる教育を実施

コロナ禍における現場での働き方や、学校での学び方はどのように変わりましたか?

片山
仕事内容に大きな変化は見られませんでしたが、患者さんとの接触を避けられない仕事である以上、マスクの着用や手指の消毒、換気の徹底など、より高い意識で感染予防に努めています。
野見山
学校では、手洗いうがいのレクチャー、ソーシャルディスタンスの確保、手指消毒液の携帯や飛沫防止パネルを用いたグループワークなど、感染予防を徹底しながら学びを続けています。
片山
一方で、やむを得ないことですが、医療従事者と学生の間には、感染予防に対する意識に差があります。特に医療現場の場合、施設内でクラスターが発生してしまうと、対応に莫大な時間と労力がかかりますし、患者さんの命にも関わりかねません。学生のうちから安全な医療を提供するための考え方や危機意識を身につけてほしい、医療従事者の責任と自覚を身につけてほしいと考え、臨床実習前には現場で働いている作業療法士、理学療法士を招き、現場で行う感染予防を教育しています。

現場で働く作業療法士や理学療法士が、学生を教育する機会は多いのでしょうか?

野見山
八千代リハビリテーション学院は病院が母体であり、千葉・東京・神奈川・埼玉・栃木に展開する18のグループ病院で臨床実習を受けることができます。そこでは当学院の卒業生が多く働いており、入学前からグループ病院で働きたいという学生にとっては、現場で働く先輩から直接話を聞いたり、教えてもらったりすることで、仕事内容や将来のイメージを膨らませる機会になっています。この点は、グループ病院と連携した教育を行う当学院の強みです。
片山
当学院の教員にも八千代リハビリテーション学院の卒業生が数多く在籍しており、現場経験のある先輩が後輩に教育するというのは日常的に見られます。在学中はもちろん、卒業後も先輩から教育を受けられるというのは、学生にとって安心感につながると思います。

社会からのニーズ、高校生からのニーズに応えるために
入学定員増枠を決定

2023年度から「作業療法学科」「理学療法学科 昼間コース」の入学定員が増えると伺いました。その背景について教えてください。

野見山
4人に1人が65歳以上という超高齢社会のなか、2025年には75歳以上の後期高齢者人口が約2,200万人に膨れ上がると言われています。それにより、在宅や施設で高齢者のリハビリテーションを支援する作業療法士、理学療法士の需要は高まっていくと考えられます。その一方で、千葉県内にある3年制の養成施設数は限られており、定員数も理学療法学科で200名、作業療法学科で180名と決して多くありません。当学院では、例年志願者が多く早期に募集枠が埋まってしまいます。そこで、社会からのニーズと高校生からのニーズに応えるために入学定員を増やすことになりました。
片山
病院サイドの視点から言うと、作業療法士の養成数が少ないことが課題としてあります。作業療法士を募集しても応募が少ないという医療現場が多い中で、作業療法学科の入学定員増は、臨床の人材確保につながるため大きな期待をしています。
野見山
2021年度の作業療法士の国家試験合格者数(4,608人)と理学療法士の国家試験合格者数(10,096人)からもわかるように、作業療法士の入学定員は全国的にも理学療法士の約2分の1と、少ない状況です。当学院では作業療法学科・理学療法学科ともに開校以来100%の就職率が続いていますが、実際の医療・福祉の現場からは作業療法士を望む声を多く聞くようになり、入学定員の増枠を決断しました。

グループ病院のバックアップを生かして
医療現場×教育現場による新しい学びの形を追求

校舎の増築とともに、ICT環境の整備や150人以上の学生を収容できる大教室の設置など、様々な学びのシーンに対応した施設になると伺いました。どのような学びを提供していきたいとお考えですか。

片山
今回のコロナ禍で、図らずもICT環境の整備や遠隔授業のシステム構築の重要性が高まりました。授業というと「学校に行って受けるもの」という固定観点を持っていた学生もいましたが、WEB授業を行ってみると、場所を問わずに授業を受けられる、時間を有効活用できるといったメリットを感じた学生もいたようです。こうしたデジタルツールも積極的に取り入れながら、新しい学びの形の実現に挑戦していきたいです。
野見山
これまで使っていた紙の教科書の内容をタブレット端末などに取り込んだデジタル教科書の活用も進めています。在宅勤務でリモートワークが普及する現代のニーズに合わせて柔軟に対応しがら、いかなる災害が起こっても学生の学びを止めることなく、学校一丸となって学習の機会を届けていきたいです。

「新しい学びの形」について、挑戦してみたいことはありますか?

片山
現状は、病院の職員が学校を訪れて教育したり、臨床実習に訪れた学生を教育したりしていますが、例えばこういった講義をしてほしい、という学校の要望に対して、ICTツールを使って授業を行ったり、動画を作成して講義を行ったり……。そういった連携の形は実現できるかもしれません。
野見山
現在もオンラインビデオ会議システムを使って、臨床実習指導者の先生と学生がコンタクトを取ったり、実習の反省会を開いたりといった取り組みを行っています。また、当学院が所属するカマチグループの学術大会なども当学院で行われているため、大教室を活用した講演会の開催なども、新たに挑戦したいと考えています。

作業療法士、理学療法士を目指す高校生に伝えたい
医療従事者としての誇り

臨床実習に訪れる学生に対して、どういったことを学んでほしいとお考えですか?

片山
学生にとって、臨床実習に参加することは非常に重要な意味を持ちます。その意味では、グループ病院ならではのネットワークを生かして、実習の機会をしっかりと自分のものとして活用してほしいと思います。実習で学ぶべきことはたくさんありますが、医学の基礎知識や技術だけでなく、患者さんの気持ちや感情を読み取ることも大切です。私たちの仕事は障がいを抱えた方々の社会復帰をサポートすること。心身に何らかの問題を抱えている患者さんは、ただでさえ不安を抱えています。そういった患者さんの悩みに寄り添い、思いやりの心を持ってサポートできるセラピストを目指してほしいです。

これから作業療法士、理学療法士を目指す高校生にメッセージをお願いします。

片山
医療従事者は他の職業とは異なり、患者さんの生死に関わる責任を伴いますし、その自覚も求められます。もちろん、大変なこともあるでしょう。ただ、重要な責任と自覚を必要とする分、やりがいも大きくかけがえのない仕事です。医療従事者として働くことをイメージするのは難しいと思いますが、自分たちが就く職業とはこういうものだと、学生のうちから自覚してほしいです。
野見山
八千代リハビリテーション学院の臨床実習は1年次から始まります。グループ病院で作業療法士、理学療法士として活躍している先輩と早くから触れ合いながら、医療従事者が持つべき責任や自覚、やりがいを実感できるのは大きなメリットです。今後も、グループ病院があるからこそ実現できる、新しい学びの形を追求していきたいです。
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