猛暑の夏を経て、少しずつ秋の気配が感じられる季節になってきましたね。
スポーツをするのにも良い季節です。
現在フランスで開催されているラグビーW杯での、日本代表の戦いをTVで応援されていらっしゃる方も多いと思いますが、
私が気になるのは、「審判」です。
ラグビーの審判は、1プレー毎に両チームの選手と密にコミュニケーションを取り、反則を取った際には、なぜそう判断したのかを選手にしっかり説明しています。
本当に凄いなあと、選手のプレー以上に気になります。
気になるのには理由がありまして、私自身がサッカーの審判活動をしているからです。
少年サッカーの指導者を長らく続けているのですが、その活動の中で必要になり審判資格を取得しました。
現在は3級という資格を持っていて、都道府県サッカー協会が主催する試合を担当することができます。
3級の上には、2級、1級とあり、審判活動を仕事とし生計を立てているプロフェッショナルレフリーという方もいらっしゃいます。
Jリーグの審判は、1級以上の資格を有し、その中でも厳しい基準をクリアし選抜された本当に凄い方々が務められています。選手としてJリーグの舞台に立つのと同じくらい大変な道のりを経て、日々血の滲むような努力を審判の方々はされています。
審判資格を有し、日本サッカー協会に登録をしていると、毎年最新版の「競技規則」が送られてきます。
(電子化の波で、今年から本の郵送は無くなり、ネット上でデータを見る形に変わってしまいました、、、)
ご覧のように「競技規則」は、「Laws of the Game」という名前です。「Rule book」ではありません。
最新版の「Laws of the Game」の11ページには、
『サッカーの競技規則は、他の多くのチームスポーツのものと比べ、比較的単純である。しかしながら、多くの状況において「主観的な」判断を必要とし、審判は人間であるため、必然的にいくつかの判定が間違ったものになったり、論争や議論を引き起こすことになる。人によっては、これらの議論が試合の楽しみや魅力の一部となっている。しかし、判定が正しかろうと間違っていようと、競技の「精神」は、審判の判定が常にリスペクトさ
れるべきものであることを求めている。』
とあります。
サッカー界では、VAR(ビデオアシスタントレフリー)などの技術の登場により、勝敗を左右するような誤審は減りました。しかし、審判の判定に対する批判やアンチコメントは、SNSなどで全く減りません。
以前、1級資格を持つ審判の方にお話を伺ったことがあるのですが、
「私たち審判の役目は、選手を裁くのではなく、選手のプレーの意図を解釈し、競技規則に則って判断すること。
ファールなどのプレーの結果だけではなく、どういう意図を持ってプレーしたのか、何をしたかったのか、
選手と審判という立場を超えて、相手の気持ちを想像して解釈しないと、判断は出来ない。その為に、試合中
に選手とコミュニケーションを取ることは重要です。」とおしゃっていました。
そのような部分で、ラグビーの審判が試合中に選手と頻繁にコミュニケーションを取っている姿から、学ぶ部分は多いと感じました。
これって、日常生活にも当てはまりますよね。
なんでそう言ったのか、なんでそんな態度を取ったのか。
賛同することが難しくても、立場の違う人の気持ちを想像し、解釈することって、非常に面倒だけど、非常に重要なことだと思います。
スポーツの審判の姿を見て、学んだことの話でした。