高齢化の加速が止まらない日本において、今「リハビリテーション」の需要が高まっているのをご存じでしょうか。
リハビリテーションと言えば、作業療法士や理学療法士などの専門分野であり、いずれも現代の国内において年々ニーズが高まり続けています。
しかし、実際にリハビリテーションの需要がどの程度高まっているのか、業界の詳細については、まだあまり知られていません。
そこで、今回はリハビリテーションが現代の日本でどれくらい重要であるのかを解説します。
日本の高齢化はどれくらい進んでいる?
日本において高齢者の割合が増え始めたのは、1950年頃です。
当時、高齢者の割合は4.9%でしたが、1985年には10%にまで上昇しました。
さらに、2005年には20%以上、2022年は29.1%と、右肩上がりの傾向が見られます。
総務省統計局によると、高齢者の割合は、2035年には32.8%、2040年には35.3%にまで及ぶとされていて、今後も高齢化は深刻な状況へ進んでいくと考えられています。
つまり、リハビリテーションを始めとした、作業療法士や理学療法士など「高齢者をサポートする人材」の供給は急務であるといえるのです。
しかし、現状としてはまだまだ高齢者の割合に対して、リハビリテーションを担う人材が足りていません。
高齢化社会でリハビリテーションの需要は?
高齢社会が今後も進むと推測されている今、高齢者をサポートする福祉の領域は需要が増大しています。
特に「リハビリテーション」は、福祉領域の中でも最も注目されていると言えます。
健康寿命の長寿化を目指している日本としては、単純に生活をサポートするのではなく、高齢者自身が自分の身の回りのことを、自分で行えるようになることが求められています。
リハビリテーションは、高齢者自身の基本的な身体機能・動作の回復をサポートし、周囲のサポートがなくてもある程度日常生活を送れるように促すためにも必要な訓練です。
就職・転職をするにあたって、将来性のある仕事に就きたいと考えている方には、リハビリテーションの領域で活躍できる作業療法士や理学療法士などの業種は最適といえるでしょう。
リハビリテーション職の人数は需要に追い付いていない?
リハビリテーションの領域は需要が高く、今後も長く求められる仕事とされています。
しかし、一方でリハビリテーション職の担い手がまだまだ不足しているといった現状もあります。
そもそもリハビリテーション職を目指す方が少ないことが理由として挙げられますが、他にも「少子化」の影響もあり、福祉業界に関わらず働き手の分母が足りていません。
実際、さまざまな業界で人手不足が発生している状況であり、中でもリハビリテーション分野は深刻な状況です。
そのため、リハビリテーション職は、現代ではライバルが少ない一方で需要が高く稼ぎやすいといった、いわば穴場的な仕事でもあります。
また、リハビリテーションの業界は、オフィスワークの業界と比べてAIに取って代わられにくいと考えられている世界です。
すでにオフィスワークの現場ではAI技術の導入が進んでいるのに対し、リハビリテーションの現場はまだまだ人の手によるサポートが中心です。
近年急速な進化を遂げているAIですら、まだ実際のリハビリテーションの現場では導入が難しいと考えられているのです。
AIの進化に伴い、すでに縮小しつつある業界がある中、リハビリテーションの分野はまだまだ安泰と考えられるでしょう。
今こそリハビリテーション職を考えよう
リハビリテーション職は、社会的なニーズが高く、長く求められる仕事です。
勤務先も病院や福祉施設など幅広く、国家資格さえあればどこの地域でも活躍できると言っても過言ではありません。
実際、リハビリテーションを担う作業療法士や理学療法士は、国内のさまざまなエリアで働いている状況であり、近所や引っ越し先、配偶者の転勤先など、地域を問わずに職場を探しやすいといったメリットがあります。
また、リハビリテーション職は、人から感謝される仕事でもあります。
利用者やその家族からの感謝の言葉は、業務をこなすうえでのモチベーションの向上につながるでしょう。
仕事にやりがいを求める方にとっても、リハビリテーションの仕事は魅力的な仕事なのではないでしょうか。
まとめ
本稿では、リハビリテーション職の需要や、高齢化の進行状況などについて解説しました。
今の時代に強く求められているのが「リハビリテーション」を担える人材です。
作業療法士や理学療法士などは、まさに現代のニーズに応えた仕事といえるでしょう。
将来性のある仕事をしたい方や、AIなどの最新技術の進化に左右されない仕事を希望している方は、ぜひリハビリテーションの分野に関わる仕事を検討してみてはいかがでしょうか。