理学療法の評価・検査・測定について

理学療法学科の教員の佐藤です。1年生の担任をしています。

授業では主に理学療法の評価・検査・測定について担当していますので、一部紹介しようと思います。

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その前に、理学療法士についての情報に触れてみます。理学療法士の大多数が所属している日本理学療法士協会によると、理学療法士の人数は近年大幅に増えてきています(図1)。それだけ、理学療法士の知名度が上がっていて、また活動の場が広がっているのだと思います。

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その傾向に伴って、30歳代までの若い理学療法士が多くなっています(図2)。このような環境の中で、患者さんを担当し、患者さんが求める目標に向けてリハビリテーションを行っていくようになります。

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他の先生の記事でも紹介されていましたが、リハビリテーションを進めていくにあたりコミュニケーション能力などと共に技術が必要になります。この技術は経験を積んでいくことで身につけていくことができます。私を含め、これからもっと経験を積んでいく理学療法士が多い中で、どのように患者さんのためになれる理学療法士になっていけるかが重要であると思います。

学生の皆さんにも技術などをどんどん身につけてもらいたいと思いますが、まず初めに身につけていく必要があるのは、患者さんの状態をしっかり理解するということです。極端な例を挙げると、風邪の症状がある人に湿布を渡しても、あまり効果が無さそうですよね。それだけ、状態の理解は重要です。

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そこで本筋に戻りますが、患者さんの状態を理解するために様々な理学療法の評価・検査・測定を行います。まず一つが技術を伴う理学療法評価です。1年生のうちに、骨や筋肉がどこにあるのか、どのように付いているのか、どんな働きをするのかを、実際に触りながら確認をしていきます。

様々な知識をもとに、皮膚があって直接は目に見えない骨や筋肉を手の感覚を頼りに評価していきます。難しいので、たくさんの練習が必要です。

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もう一つが、評価方法が明確に決まっている理学療法評価です。相手のバランスを評価したり、歩きの速度を測ったりします。このような評価は色々と研究されており、どのような人が計測を行ったとしても、同じような結果が出るように作られています。つまり、担当した患者さんに適切な評価を選択できれば、経験が十分でない人であっても、ベテランの人と同じように患者さんの状態を把握することができます。2年生を対象にこのような授業を行っています。

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授業を通して、理学療法の評価、検査、測定がしっかりと行え、相手の状態が把握できるようになってもらえると嬉しいです。

追記

関東のグループ病院を含め、このような理学療法評価をもとに研究活動を行っております。以前、10病院のスタッフの皆様にご協力いただいた研究が無事論文掲載されました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

Physical Therapy Research (2016 vol.19 No.1 in press)

「Cognitive and physical functions related to the level of supervision and dependence in the toileting of stroke patients」