学会長賞受賞
第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会で、当学院の佐藤先生が学会長賞を受賞しました。
タイトルは
『家族介護力別にみた回復期脳卒中患者の自宅退院を予測する入院時ADL自立度-日本リハビリテーション・データベースを用いた分析-』 です。
近年、高齢化が進み、老老介護や独居の高齢者の増加が社会問題になっています。
この研究は、自宅退院の可否は
患者さんの身体能力だけではなく、家族介護者の人数を考慮することで
より精度の高い目標設定ができるというものです。
近年の社会情勢を踏まえた、世の中に必要とされる研究結果だと思います。
さてさて
みなさんはこの研究で何名の患者さんのデータを検討したと思いますか?
10名?
100名?…
答えは
4949名の中から条件を満たした1574名です!!
この膨大なデータを難しい統計処理、分析によって
家族介護者の人数が多い方が
入院時の運動能力が低くても
自宅退院しやすい ということが分かった
という趣旨の発表になります。
1574名分のデータ、すごい数ですよね!
なぜこんなにたくさんのデータを使う必要があるのでしょうか?
データが多いとはどういうことでしょうか?
『日本人の中で血液型がAB型の人は何%いるのか』
を調べるとしたら、何人に血液型を聞いたらいいでしょうか?
答えは…
日本人全員です(笑)
『無理でしょ』
って思いましたか?
そうです、無理です。
なので
試しに教職員33名に血液型を聞いてみました。
なんと『ヤチリハ教職員の中にはAB型が5名』います。
割合にすると15%です!
これは多いでしょうか?少ないでしょうか?
日本人全体の中のAB型の割合を求めるのに、役に立つ結果でしょうか?
もちろん役に立ちません(笑)
ちなみに
『日本人の中にはAB型が約9%』という結果が出ています。
『千葉県民の中にはAB型が8.1%』という結果が出ています。
千葉県民全員調べると、日本人全体の割合に近くなりますね。
なぜ
『ヤチリハ職員はAB型が15%』
という、大きくかけ離れた結果になったのでしょうか?
答えはデータが少ないからです。
33名からしか聞いていないからです。
なぜ
『千葉県民は8.1%』
と日本人全体の9%に近い結果が出たのでしょうか?
答えは、データが多いからです。
約270万人のデータからとった結果です。
より万人に当てはまる研究結果を出すためには
『できるだけ多くのデータを検討する』
ことが必須になります!
検討されたデータの量が多いというのは
信頼性が高い、良い研究の証拠になるんですね♪
1574名のデータを解析した佐藤先生、本当にすごいと思います。
学会長賞受賞、本当におめでとうございます!