平成30年3月10日(土)入学試験願書受付中!
「一般入学試験Ⅴ期」「特別入学試験Ⅴ期」
平成30年3月10日(土)入学試験願書受付中!
受付期間:平成30年2月26日(月)~平成30年3月5日(月)
理学療法学科昼間コース、理学療法学科夜間コース受付中
※ 作業療法学科の入学試験Ⅴ期は定員に達したため行いません。
奥田裕先生の活動記録vol.11
活動報告 vol.11 「私にとって重要な活動の一つ」
八千代リハビリテーション学院の皆さん、入学を希望している皆さんこんにちは。
チリで青年海外協力隊として活動している現在休職中理学療法学科教員の奥田です。
最終学年の皆さんは、いよいよ追い込み時期になってきましたね。そろそろ国家試験が待ちきれない、と思う人も出てきたのではないでしょうか?くれぐれも体調管理には気を付けて、最後まで諦めないで頑張ってください。
1月26日に私の任地であるウアラニェ市で日本を紹介するお祭りを実施しました。チリの日本大使館から日本の食べ物サンプルや日本の建物の模型、浮世絵などを借りて展示したり、箸の使い方講座、チリの演奏家による尺八演奏、チリボランティアの理学療法士の三橋隊員による三線演奏、市民も参加しての盆踊りなどを行いました。市役所の職員、手伝ってくれたチリJICAボランティア、大使館など多くの人の援助のおかげで実施することができたのですが、私一人では普段なかなか日本の良さを伝えることができなかったので、私の活動期間中に、ウアラニェ市で日本紹介ができたことを嬉しく思っています。
日本祭りの様子
大使館から鯉のぼりも借りました。
大使館から借りた日本の食べ物の展示。日本食が恋しくなりました。
着物(浴衣)コーナー。
箸の使い方講座。チリボランティアの谷口さん、浴衣の着付けや、箸講座など、大活躍していただきました。
名前を日本語で書いてあげています。
私は日本の遊びを教えたり、色々まわっていました。写真はけん玉をやっているところです。
三橋さんの三線演奏。
尺八演奏。
みんなで盆踊りを踊りました。正直に言うと、日本では踊ったことがないかも・・・。
さて今回は、私にとって重要な活動の一つ、を紹介します。
それは、サッカーです。
ボランティアとしてチリに来ているのに重要な活動がサッカーかよ!とツッコミを入れたくなる人もいるかと思いますので、以下にその説明(言い訳?)をしたいと思います。
JICAボランティアは、現地の人々と共に生活をしながら活動をすることで、「異文化社会における相互理解の深化と共生」を目的の一つとしています。私は理学療法士としての要請に対して日々活動をしていますが、理学療法士としての枠だけで活動をしていると、どうしても関わる人の幅が広がりません。「国際貢献」のとらえ方は様々あると思いますが、一人でチリの田舎でできることは限界があります。その中で、自分に何ができるのか?と考えた時に、一人でも多くの人と知り合い、一人でも多くの人と仲良くなることで、私が任期を終了してチリを去った後も、日本で何かあった時に「そういえば、一緒にサッカーをやった日本人がいたな・・。」と思い出してくれることが、私がチリに来た意義にもなるのではないかと思っています。
JICAボランティアの活動時間以外の過ごし方は人それぞれだと思います。私の場合は、チリはサッカーが盛んで、大人も子供も日常生活の中にサッカーがあるような生活をしており、交友関係を広げるにはサッカーが一番だと思い、サッカーをやっています。と、言い訳をしていますが、ただサッカーをやりたいだけではないか?という意見に対して反論は致しません。。今ではサッカーを通して知り合い、サッカーを通して仲良くなった人がたくさんいます。チリは日本のように仕事が終わったら職場の仲間でちょっと一杯、なんてことはないので、サッカーをやっていなかったら、ほとんど交友関係も広がらなかっただろうと思います。
しかし、サッカーにはリスクも伴います。まず一つ目のリスクは怪我です。私も2017年2月に、試合中に右足首を怪我してしまい、2週間活動を休止し、多くの人に迷惑をかけてしまいました。不幸中の幸いとして、自分自身でチリの田舎の医療を体験することができたことは、貴重な体験であったとも思っています。現在はテーピングをしながらサッカーをしていますが、足部に対するテーピングの技術も向上したと思っています。チリは伸縮性のテープはたくさん売っていますが、非伸縮性のテープは少なく、あっても1巻1,000円くらいで高価です。少ないテープで、いかに確実に固定するかということを考えながらテーピングをしています。
2つ目のリスクは対戦相手です。私はチリのリーグに加入してサッカーをやっているのですが、みんな勝負がかかっているので真剣です。さらに試合直前までビールを飲んで酔っ払った状態でサッカーをやっている人もいるため、乱闘騒ぎもしょっちゅうです。そんな中、たいして上手くもない日本人が調子に乗って点でも決めようものなら、その後は徹底してつぶしにかかってきます(「つぶす」というのはサッカーで使用される用語で、基本的にはその人がボールを持ったらファウルでも何でもしてボールを持たせないこと)。また、私も試合中は真剣なので、故意ではなくても時にはファウルをしてしまうときがあります。ファウルをしてしまった相手の中には次の試合でも覚えていて、執拗に私に対して当たってくる人もいます。仲良くなるためにやっているはずなのに、一部に敵を作ってしまったことは寂しいところです。また、日本の草サッカーとは違い、会場には多くの観客がいて、大きな歓声とともに、ミスやファウルに対してはヤジが飛び交います。ヤジは基本的には「スペイン語」ではなく、辞書には載っていないような汚い言葉ですね。自分達のホームスタジアムではなく、相手チームのスタジアムに行くと、外国人ということで差別的なヤジを受けることも多いのは、非常に残念に思います。
しかし基本的には試合が終了したら、敵味方関係なく一人一人と握手やハグをし、お互いにプレーを称えあって仲良くなります。練習試合の時には、チームが混ざってアサド(バーベキュー)をしながらビールを飲んで楽しむこともあります。
日本帰国まで残り約1か月。勿論、理学療法士としての活動もしっかりやりますが、怪我のないようにサッカーも楽しみたいと思っています。
少し思い出深い、去年のリーグの決勝戦直前の写真。チームは勝利して優勝したのですが、この30分後くらいに私は怪我をしてしましました。
市役所のチーム。たまに他の市役所のチームと交流戦をします。
昨年優勝したチームとは別のリーグのチーム。みんな良い人たちなんですが、ご覧の通り若干年齢層が高いので、なかなか勝てない・・・。
サッカー場でもアサド!
過去の活動報告
活動報告10:理学療法士としての活動報告⑤その他の活動
www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6328
活動報告9:理学療法士としての活動報告④学校での活動
www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6284
活動報告8:理学療法士としての活動報告③高齢者会議での活動
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6251
活動報告7:理学療法士としての活動報告②個別理学療法
www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6194
活動報告6:理学療法士としての活動報告①訪問理学療法
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/その他/6156
活動報告5: チリの医療について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6061
活動報告4:チリの食生活について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6027
活動報告3:チリでの活動について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5920
活動報告2:派遣前訓練について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5751
活動報告1:JICA青年海外協力隊について
奥田裕先生の活動記録vol.10
理学療法士としての活動報告⑤ その他の活動
八千代リハビリテーション学院の皆さん、入学を希望している皆さん、こんにちは。
チリで青年海外協力隊として活動している現在休職中理学療法学科教員の奥田です。
チリでは、日本のように正月三が日が休みということはなく、2日から通常勤務となります。そのため、ゆっくり正月を過ごすということはできませんでしたが、それは国家試験、後期試験を控えた学生さん達も一緒でしょうか?
本題に入る前に、チリでのクリスマス、お正月の紹介をします。
チリでは、クリスマス、正月ともに家族が集まって、アサドと呼ばれるバーベキューをします。要するに、誕生日であろうがクリスマスであろうが正月であろうが、普通の日曜日であろうが、とにかくアサド!という感じですね。
チリのアサド。この日は牛肉、鶏肉、羊肉がありました。
クリスマス前に私の職場では「アミーゴセクレト」をしました。直訳すると「秘密の友達」です。12月の初めに、参加者が集まってくじを引きます。そのくじには参加者の誰かの名前が書いてあり、アミーゴセクレトの当日までにその人のためにプレゼントを準備し当日にプレゼントを渡します。日本のプレゼント交換の渡す人がわかっているバージョンですね。
アミーゴセクレト。プレゼントをもらっているところです。
クリスマスの過ごし方は、24日の夜に家族が集まってアサドをし、12月24日から25日へ日付けが変わる24時に家族みんなで「Feliz Navidad!!(メリークリスマス!!)」と言って、皆で一人一人とハグをして、クリスマスツリーの周りに集まります。そして、クリスマスツリーの周りに置かれたたくさんのプレゼントを一つ一つ渡していきます。チリのクリスマスは、子供だけにプレゼントが来るのではなく、家族みんながお互いにプレゼントを渡しあいます。
12月24日には、クリスマスツリーの周りがプレゼントでいっぱいになります。
正月は、やはり大晦日の夜に家族が集まってアサドをし、大みそかから元旦に変わる24時に家族みんなで「Feliz año nuevo!!(明けましておめでとう!!)」と言って、皆とそれぞれ一人一人とハグをし合います。その後、皆でシャンパンを開けて乾杯し、市役所の近くであげられる花火を見て、市役所の近くに集まって朝までダンスを踊ります。普段は路上で飲酒はできないのですが、この日ばかりは歩行者天国になった路上で飲酒をしても大丈夫です。私は31日に猛暑の中サッカーをしたおかげで若干熱中症のような症状があったので、少しダンス会場を見に行って、そそくさと帰りました。
1月1日、0時30分くらいからダンスが始まります。大人も子供も高齢者も一緒にダンスを楽しみます。
さて本題に入りますが、今回は「その他の活動」として、私が今まで紹介した以外の様々な活動を紹介します。
まず最初に、健康(障害予防)に関する冊子の作成についてです。
私は活動期間中に3種類の冊子を作成しました。「Pausa saludable:休憩時の体操」「Para estar saludable:健康になるために」「Problema de postura:姿勢の問題」の3種類です。
↑↑↑ 3種類の冊子です。
「Pausa saludable」に関しては、チリの人たちは日本人と同様に肩こりなどの症状を訴える人が多いにも関わらず、あまりストレッチ等をする習慣を持っていません。まずは、仕事の休憩時間にでも少しずつストレッチ等の運動を実施しましょう、という目的で作成しました。内容は、座位、立位で実施するストレッチや運動を紹介しています。
「Para estar saludable」は、チリの人たちは日本人と比べると肥満傾向の人が多いにも関わらず、自覚はなく、むしろ私に対して「お前は痩せすぎだ」と言ってくることが多かったり、糖尿病や高血圧の薬を飲んでいる人が非常に多いことから、健康に対する意識を少しでも変えてほしいという目的で作成しました。内容は、肥満がもたらす様々な問題、肥満度を判定するBMI(Body Mass Index)、摂取カロリーと消費カロリー、チリの食べ物のエネルギー(カロリー)、痩せるための運動について紹介しています。
「Problema de postura」は、私のオフィスに来る方は、肩や手の問題を抱えた人が多いのですが、その多くはパソコンやスマートフォンの長時間使用が原因となっているため、まずは姿勢を改善しましょう、というものです。
活動報告8で紹介した高齢者会議でも、実際にこの冊子を使用しながら説明や体操を実施しました。2017年7月に実施された「Feria de preventiva:予防フェスタ」では私のブースを作ってもらい、約300冊の冊子を市民に配布することができました。
予防フェスタの様子。
「Pausa saludable」に関しては、市役所職員、市役所の教育課職員、地元スーパーの従業員、地元のレストランの従業員等を対象に、実際に冊子を使用しながら体操を実施しました。
市役所職員に対して。
市役所の教育課職員に対して。
地元のスーパーマーケット従業員に対して。
地元のレストランの従業員に対して。
健康(障害予防)に関しての活動としては「ラジオ体操」も実施しました。チリでサッカーをやるときに感じるのですが、チリの人たちはあまりウォーミングアップをしない人が多いです。逆に、日本人は何故チリ人と比べてウォーミングアップの習慣があるのかと考えた時、幼少期からの教育によるところが大きく、中でも「ラジオ体操」はその一翼を担っていると考えました。チリの人たちは音楽とダンスは大好きですが、決められた音楽でみんなが同じ動きをするラジオ体操は「つまらない」と反応するのではないかと心配していましたが、実際に同僚に見てもらったところ、非常に興味を持ってもらい、それをきっかけに紹介していこうということになりました。習慣作りが目的なので、子供を対象にするのが一番と考え、初めは小学校で実施することにしました。合計11回小学校を訪問し、体育の授業の前の少しの時間をもらい、ウォーミングアップの重要性を説明した後にラジオ体操を実施しました。その後は、体育担当の先生が継続して実施してくれると言っていましたが、実際に実施しているかどうかは...。
小学校のラジオ体操。
ラジオ体操は非常に受けが良く、その後も依頼されることがあり、地域の女性が集まる集会や、県内それぞれの市の教育課の代表者が集まる会議などでも実施しました。
女性の集会にて。
教育課の代表者の会議終了後に記念撮影。
その他の理学療法士としての活動として、ウアラニェ市でチリ全国から高校生が集まって実施されたハンドボール大会に理学療法士として参加しました。実は私は今まで実際のスポーツ現場で理学療法士として活動したことはなかったのですが、チリでスポーツ現場デビューしちゃいました。
ハンドボール大会にて。
ハンドボールの大会中に感じたこととして、体幹の支持性や肩の柔軟性が低い中で、力強く速くて大きな肩や腕の動きを行うことにより、肩を痛めている選手が非常に多いということでした。そのため大会後、肩、体幹のストレッチ、体幹の支持性を高める運動を、ウアラニェのチームに対して何度か指導をさせていただきました。
スポーツに関しては、ウアラニェ市内でチャリティ目的で実施されたマラソン大会にも関わり、マラソンの後に全体に対してストレッチの指導を前回の活動報告9で紹介したガブリエルと一緒に実施しました。
マラソン終了後にガブリエルとストレッチの指導を実施しているところ。
その他、私の任地であるウアラニェは、2017年1月に大きな山火事があり、市の60%以上が燃えてしまうということがありました。幸いにも死者は出なかったのですが、被害はかなり大きなものとなりました。火事で家が燃えてしまったり、家の近くまで火が回ってきてしまった人たちは市の中心にある高校に避難をしてきていたのですが、その中には寝たきりの方や、避難時に足や腰等を怪我してしまい、歩行が困難になってしまったような人がいました。私はその期間は、避難所である高校に足を運び、その方々を対象に理学療法を実施しました。この体験に関しても、今まで日本でも被災地のボランティアは実施したことがなかったのですが、チリで初めて関わらせていただくことになりました。被災者に対する理学療法だけではなく、避難所にいることで、身体を痛めた消防士への対応や避難をしてきた子どもの遊び相手、援助物資の運搬援助など、やることは様々あるのだということがわかりました。
火事の時は、市の中心近くまで火がまわってきました。
火事の時の避難所。空は灰で覆われてどんよりしています。テントは他の地域から援助に来てくれた消防士の宿泊用。避難所には高齢者や障がい者しか避難してきません。おそらく避難が必要な若い人は、家族や友人のところに行っています。
過去の活動報告
活動報告9:理学療法士としての活動報告④学校での活動
www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6284
活動報告8:理学療法士としての活動報告③高齢者会議での活動
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6251
活動報告7:理学療法士としての活動報告②個別理学療法
www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6194
活動報告6:理学療法士としての活動報告①訪問理学療法
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/その他/6156
活動報告5: チリの医療について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6061
活動報告4:チリの食生活について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6027
活動報告3:チリでの活動について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5920
活動報告2:派遣前訓練について
http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5751
活動報告1:JICA青年海外協力隊について