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小児疾患の作業療法

こんにちは。

今回は、「小児疾患の作業療法」の授業紹介をしたいと思います。

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生まれながらの病気・障害を抱える子供たちに対するリハビリテーションの授業です。

「発達障害」の子供たちの発達を促す分野になります。

まず重要になってくるのは健常な赤ちゃんが

『どのように寝返って、ハイハイして、座って、立って、歩けるようになるのか?』

『どのようにおはなしができるようになるのか?』

といった元気な子供の発達に関して学ぶ必要があります。

改めて考えてみると不思議だなぁと思いませんか?

簡単に運動発達に関して説明すると

①    首周りが強くなって(いわゆる首が座る)

②    肩周りが自由に動かせるようになって(おもちゃや両親などに手を伸ばす)

③    腹筋・背筋が強くなって(寝返り、おすわりをする)

④    足が強くなる(ハイハイ、つかまり立ち)

といった順序になります。

さて、ここで脳性麻痺に関する授業風景をご紹介します。

写真は脳性麻痺児の「おすわり」を実際にやっている様子です。

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教科書を見て脳性麻痺児のおすわりを真似しています。

ポイントとしては

・腰が後ろに倒れている

・手をつかないと後ろに倒れそうな姿勢である

・頭を前に持ってきて、後ろに倒れないようにしている

といった姿勢になります。

先ほど述べた運動発達の順序に照らし合わせてみると

①    首周りは前方に倒れており弱そう

②    手をついているので腕は自由に動かせない

③    腹筋・背筋が弱く、腰が後ろに倒れている

④    足は伸びきったままになっている

おもちゃに手を伸ばすことが難しそうだと思いませんか?

顔を上げて周りを見渡すのも大変そうに思えませんか?

身体が順番に強くなることで赤ちゃんは色々な姿勢をとれるようになり、自由に遊んで様々な経験を重ねることができるんですね。

次は脳性麻痺児のハイハイです。

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みなさんのハイハイのイメージと大きく違うのは何でしょうか?

『かなり大きい子がハイハイしてるー!!』

というのもありますが、そこは目をつぶって…

足が伸びたままで手だけでハイハイをしている、ということです。

麻痺のために足が伸びたままになりやすい子供たちがいます。

実際にやってみるとかなり大変です。

足が伸びたままだと手を伸ばしておもちゃを取るのもとても難しいんですね。

『おすわりして周りを見渡して、楽しそうなおもちゃを見つけて、ハイハイで移動して、手に取って、またおすわりして遊ぶ』

よく見る赤ちゃんの遊んでいる光景かもしれませんが、障害をもっている子供たちにとっては一苦労です。言葉でコミュニケーションができない赤ちゃんが相手だからこそ、実際に身体を動かして実感することはとても大切だと思います。

発達には遊びが必要不可欠です。

よく遊ぶためにはよく発達していることが必要になります。

このように書くと抽象的になってしまいます。

より具体的に発達を捉えるために「小児疾患の作業療法」では姿勢発達の流れ・見るポイントを学び、食事などの生活動作や遊びに必要な姿勢介助に関して勉強していきます。