八千代リハビリテーション学院

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ヤチリハのブログ

奥田裕先生の活動報告 vol.3

八千代リハビリテーション学院の皆さん、卒業生の皆さん、入学を希望している方、こんにちは。JICA青年海外協力隊で理学療法士としてチリで活動をしている、現在休職中理学療法学科教員の奥田です。

今回3回目の報告になります。1回目は青年海外協力隊の紹介、2回目は派遣前訓練の紹介をしました。今回3回目は実際の活動について大まかに紹介していきます。

青年海外協力隊は1次隊~4次隊の計41年間に派遣されますが、私は平成28年度1次隊として派遣されました。1次隊は4月から訓練が始まり、6月中旬に訓練が終了し、各市町村役場と都道府県庁に表敬訪問を行った後、6月下旬~7月上旬に各国へ出国となります。チリに来てから1ヶ月間は首都サンティアゴでの赴任時オリエンテーション、語学研修などを実施し、その後各任地へ配属されます。写真はチリの首都のサンティアゴです。サンティアゴは近代的な街で地下鉄も走っており、東京と変わらないような生活ができます。

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私が活動しているのは日本の真裏にある南米のチリという国です。細長~い国ですね。地図で確認してみてください。南北に細長い国だけに国内でも地域によって気候が異なります。首都のサンティアゴ周辺は地中海性気候となり、日本と同様に四季がありますが、異なる点として日本が夏の時にチリは冬で日本が冬の時にチリは夏です。また冬は湿気が多く夏は乾燥しています。チリと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?酒好きの人はワイン?、旅行好きの人はイースター島・パタゴニアなどを思い浮かべるでしょうか。チリという言葉から辛い物をよく食べる国のように想像する人もいるかもしれませんが、チリではあまり辛い食べ物を食べません。スポーツはサッカーが盛んで、最近の選手ではアーセナルのアレクシスサンチェス選手がチリの選手になります。このブログの最後に簡単なチリのデータを記載しています。

私の任地はチリの首都のサンティアゴから南にバスで約3時間半(200km)のウアラニェ市(Hualañe)という人口約1万人の小さな町になります。

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配属先は市役所です。

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チリでは日本と同様に高齢化が進んできており、高齢者を中心に健康増進・障がい予防に関わるというのが主な要請内容です。他のJICAボランティアの理学療法士は病院など理学療法士が勤務する施設での活動となりますが、市役所で同僚に理学療法士がいない状況での活動は稀な例だと思います。

現状の主な活動として、月曜日~金曜日(水曜除く)の午前中は私専用の小さな治療室で個別の理学療法を実施し、午後は急性期脳卒中患者や寝たきり患者などの家に訪問しての訪問理学療法を実施しています。水曜日は1日スエニョスシンリミテス(直訳すると「制限のない夢」)という市の障がい者でお金を集めて運営している障がい者グループのところに行って個別の理学療法を実施しています。他に、木曜日の午後は小学校に訪問し学校専属の理学療法士と一緒に小児理学療法を実施しています。

また、日常の活動とは別に、デスクワーカー向けの職場で行う体操の冊子を作成し、実際に市役所の同僚や近所のスーパーの労働者などに対して体操指導を実施しました。また、市で大きなハンドボールの大会があった時に、理学療法士として参加したこともありました。その他、市役所が実施する市の催し物の手伝いをしたりすることもあります。

現在、チリに来てから半年以上が経過し理学療法士の視点から見て様々な問題点を発見することができます。例えば、一般市民の運動不足、偏食・高カロリー食による肥満や糖尿病、脳卒中後のリハビリテーションがほぼ皆無、チリではサッカーが盛んに行われているがそのための身体作りやウォーミングアップなどは殆ど行われておらず、その中で激しいコンタクトが行われるため怪我人が非常に多い、・・・など挙げればキリがありません。私の場合は活動期間が19ヶ月という期間になるので、残り約1年間という限られた期間に何ができるかと考えていますが、自分ができることを探し関わっていきたいと思います。

チリ共和国
首都:サンティアゴ
面積:756,000平方キロメートル(日本の約2)
人口:約1800万人(日本の約1/7)
言語:スペイン語
通貨:ペソ(100ペソ:約20)
経済状況:GDP 240796USD(世界42)(20172,WDI世界銀行)
2017
年に援助卒業国となる予定
主要輸出品目:銅,サケ・マス,木材・チップ,モリブデン等


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