奥田裕先生の活動報告 vol.2

八千代リハビリテーション学院の皆さん、入学を希望している皆さん、こんにちは。明けましておめでとうございます。

チリで青年海外協力隊ボランティアとして活動している、現在休職中教員の奥田です。

1回目は、青年海外協力隊の紹介をさせていただきましたが、今回は派遣前の訓練について紹介します。

青年海外協力隊の長期ボランティアは、2年間(人によって1年9ヶ月)海外で活動をします。ここで問題になるのが言葉です。青年海外協力隊の場合、各国への派遣前に70日間の訓練を実施します。主な目的は語学学習ですが、派遣に向けての様々な訓練が実施されます。青年海外協力隊の訓練所は、長野県駒ヶ根市にある駒ヶ根訓練所か福島県二本松市にある二本松訓練所のどちらかになりますが、私は駒ヶ根訓練所で訓練を受けました。

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この道を上って行くと訓練所があります。毎日、この道を走ります。

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訓練所です。右は中庭です。

訓練所には個室が準備され、3食付きとなっています。

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個室です。

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こちらは食堂です。右は食事場面です。この日は班で一緒に食事をしました。

主なスケジュールですが、6時半に人員確認、国旗掲揚、連絡事項、ラジオ体操、ランニングが行われ、朝食後845分〜1145分まで課業、昼食をとり13時〜17時まで課業、1745分〜夕食、22時半まで語学自習など、22時半人員確認、23時消灯となります。

語学学習に関しては、試験合格後に約半年間(試験時期により変わります)オンライン学習を実施します。入所後間もなく語学試験が行われ、その結果をもとにクラス編成が行われ、1人の先生につき5,6人のクラスで語学授業が実施されます。途中に1度中間試験があり、終了前に最終試験があります。

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語学教室です。訓練所が改装工事中だったので語学教室はプレハブでした。

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語学クラス。この日は先生がケーキをプレゼントしてくれました。

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週に2回、3クラス合同でアブラール(スピーキング)します。

午前中は語学の授業で午後の後半はその他の講座を受講することが多いです。その他の講座は、オリエンテーション、コミュニケーション技法、調査手法、健康管理、安全管理、JICAボランティア基礎講座、社会的多様性活用力など、様々です。2日間の野外訓練もあり、厳しい環境の中での適応力や行動力を養うことを目的とした訓練も準備されています。

私は特に各種ゲームや、坐禅の講座などが印象に残り、楽しく受講させていただきました。

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ある日の談話室です。自分達はよくここの談話室に集まっていました。写真は慣性の法則を説明する為のアクティビティです。なかなか難しい。自分も中学生の時にこんな授業を受けたかったなぁ~、と思った瞬間でした。

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この写真は理学療法士・作業療法士です!

その他、入所時と終了前の2回、体力テストが実施されます。この項目の一つに「シャトルラン」という項目があり、30代後半組は未経験のためやり方がわからずジェネレーションギャップを感じました。

訓練中、生活班というあいうえお順で10分割された班で人員確認をしたり、週1回の班会議、班ゼミ等を行うのですが、70日間、生活を共にしているので信頼関係が築かれます。派遣後も生活班の仲間同士でインターネットを介して連絡を取り合い、悩みを相談したり励ましあったりしています。

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右の写真は所外活動の休憩中です。この日は、手でひたすら唐辛子を植える作業をしました。所外活動は、なるべく自分の専門とは異なる作業を選択するため、自分は農作業になりました。他には、老人保健施設や幼稚園などもあります。

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これは文化祭です。色々な特技を持っている人達が特技を披露します。最後にみんなで歌を歌ったのですが、ここでも「旅立ちの歌」が分からずジェネレーションギャップを感じました。

訓練中、講座などでは何度も「公人」という単語が出てきます。JICAボランティアは、個人として派遣されるのではなく、日本を代表して派遣されるという意識を持って、行動しなければならいけないということです。

そういう意味でも、訓練中要所要所で厳しい規則が定められています。まず、時間管理です。朝の集合時間や帰寮時間の厳守に関しては厳しく指導されます。名札着用も同様です。学院の皆さんは学院でも厳しく指導されているとは思いますが、協力隊の訓練も同様です。また、酒類は持ち込み禁止となっています。入所案内には退所処分の対象になると記載されています。

月曜〜金曜の平日は外出可能時間が19時までですが、土曜日曜は22時までになっています。この時間に帰寮していないとかなり厳しく指導されます。また普段外出できない分、土曜日の夜は生活班、職種、配属先の国毎、語学班、様々な懇親会が実施されます。そのため訓練所近くの飲食店は訓練生の貸し切り状態になります。

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この写真は、班の懇親会だったのですが、他の班も重なって、大宴会状態になりました。

外泊は土曜日の課業終了後から日曜日の22時まで、申請により認められます。この外泊を利用して、班で訓練所近くのキャンプ場のペンションを借りて泊まったりもしました。

訓練前は、70日間刑務所にでも入るかのような気持ちだったのですが、今思えば普通に働いていたら絶対に知り合うことができないような素晴らしい仲間との出会いがあり、とても楽しい経験でした。

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キャンプの時の写真です。

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こちらは終了式前です。班で記念撮影をしました。

私の場合、大学を卒業してからしばらく経過しているので、久しぶりの学生生活を送ることができたようにも思います。

派遣後も、それぞれがFacebookなどで近況報告をするので、アフリカ、大洋州など様々な国について知ることができ、励まされます。帰国後も是非この交友関係を続けていきたいと思っています。

ちなみに、私には無関係でしたが、駒ヶ根には「駒ヶ根マジック」、二本松には「二本松イリュージョン」という言葉があり、やはり限られた環境で男女が集まれば、そういう関係になる人も多いようです。実際に駒ヶ根でも何組かのマジックが起こってましたね。

最終学年、既卒で国家試験勉強を頑張っている人達は、いよいよラストスパートというところになってきましたね。今年はゆっくりとお正月を過ごせなかったと思いますが、今が頑張り時です。後悔の無いように過ごしてください!