八千代リハビリテーション学院

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ヤチリハのブログ

奥田裕先生の活動記録 vol.9

活動報告 vol.9

理学療法士としての活動報告学校での活動

 

八千代リハビリテーション学院の皆さん、入学を希望している皆さん、こんにちは。

チリで青年海外協力隊として活動している現在休職中理学療法学科教員の奥田です。最終学年の皆さんは、いよいよ国家試験が近くなってきましたね。この時期は、頑張っているのに点数がなかなか伸びずに焦りを感じている人も多いと思いますが、諦めずに頑張ってください!

 

今年の日本の冬はかなり寒いと聞きますが、チリはいよいよ夏本番というところです。クリスマスシーズンなので、日本と同様、町中にサンタクロースやトナカイなどの飾りつけやイルミネーションが飾られていますが、夏なのであまりクリスマスや正月が近い実感がありません。

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今年の市役所の飾りつけ。夜はイルミネーションが輝きます。この夏の日差し中にクリスマスツリー。違和感を感じています。

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よく見ると、消防署にもサンタが!

 

私の活動も、残すところ約3カ月というところになってきました。先日、JICAチリの中間報告会があり発表をしてきました。

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中間発表会

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自分の発表後にカウンターパートから言葉をもらっています。

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中間発表会で全体記念撮影。チリボランティアとカウンターパートとJICA職員と来賓。

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私の任地から参加してくれた私のカウンターパート達。

 

残り約4カ月という時期なので、最終発表会に近いのですが、チリは年に1回しか中間発表会が開催されないので仕方がありません。また、JICA(国際協力機構)がチリにボランティアを派遣してちょうど20年ということで、ボランティア派遣20周年式典も催され、そのような節目の式典に参加でき、非常に光栄だったと思います。

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JICAチリボランティア!

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式典後の歓談時に土佐よさこいを披露しました。実は思いつきで、前日に覚えました。

 

また、日本とチリは今年修好50周年ということで、様々な行事が行われる中、10月には秋篠宮ご夫妻がチリを訪問され、私たちボランティアも謁見する機会があり、一人ずつお話をさせていただける貴重な機会をいただきました。

 

さて、今回は学校での活動を紹介します。

 

私は毎週1回、ウアラニェ市にある小学校を訪問し、学校専属の理学療法士と一緒に、学校に通ってきている障がいを持った生徒に対して理学療法を実施しています。

 

ウアラニェ市には10の小学校があり、その内の一つであるウアラニェの中心部にあるEscuela Monseñor Manuel Larraínという学校えを訪問しています。この学校は市で唯一障がい児のための特別学級を設けており、専属の理学療法士もいます。残念ながら、市内の他の学校には特別学級はありません。通える子供は特別学級のあるMonseñorまで通ってきているようですが、通うことができない子供は普通教室で勉強するか、学校に通えない子供もいるようです。その他医療職に関しては、チリの学校には必ず言語聴覚士が勤務しています。言語聴覚士は障がい児も対象にしていますが、主にはスペイン語をうまく話せない子供を対象に指導を実施しているようです。私もまだ巻き舌が必要な「R」が付く単語を上手く発音できないので指導してほしいくらいです。

 

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↑↑↑ここが私が週1回訪問している小学校です。

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↑↑↑ここが、理学療法士の部屋。

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で、彼が学校専属の理学療法士のガブリエルです。

 

ガブリエルが特別教室に迎えに行って、理学療法室で理学療法を実施します。

以前にも紹介しましたが、チリの学校勤務の理学療法士は、日本で言うところの「保健室の先生」の役割も担っています。怪我をした生徒の評価(ケガの具合を診断したりすること)や、傷の手当などの処置なども行います。

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ガブリエルとは、9月にエクアドルで実施されたJICAの在外研修にも一緒に参加しました。普段は週1回しか一緒に活動をしないため、この時は多くのコミュニケーションをとることができ、それもこの研修会の一つの成果だと思っています。研修会の主なテーマは、「ICF(国際生活機能分類)」「感覚統合療法」「子供を取り巻く各国の医療福祉の状況」です。

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エクアドル在外セミナーでの全体写真。中南米10カ国のボランティアとそのカウンターパートが参加しました。

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発表中

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講師の作業療法士の土田玲子先生と。

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到着した日に少し時間があったので、赤道記念碑に行ってきました。

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昼は終日後援会でしたが、夜はこんな夜景が素敵なレストランで食事をすることもできました。

 

この講習会参加後のガブリエルは、「感覚入力(対象者が何を触って何を感じているのか)」を意識するようになり、少しずつ児に対する関わり方も変わってきました。

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エクアドル研修後のガブリエルの理学療法場面。手の感覚が過敏なので、触れるものを探しながらアプローチしています。

 

また、11月にはチリの他の地域で活動する理学療法士、作業療法士のJICAボランティアや、ウアラニェ市内に勤務するセラピスト、学校の先生、病院や市役所に勤務する関係職種の方に参加してもらい、ウアラニェ市で伝達講習会も行いました。(写真21)市の各課の所属長なども参加しており、グループワークなどは大丈夫かと心配していたのですが、来年からウアラニェ全体で「ICF」を使っていこう、などと具体的な話が進んでいたので期待以上の成果があったと思います。今までウアラニェで活動をしていて、各専門家の知識技術は決して低くないものの、お互いのコミュニケーションが少なく、連携の問題を感じていたので、これを機に改善していけばと願っています。

 

少し話は変わりますが、学校との関わりは特別教室の生徒を対象にした関わりだけではありません。小学校のクラスや、小学校内にある幼稚園のクラスで日本紹介の授業を依頼されて実施したこともあります。

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小学校のクラスでの授業風景

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授業後に子供たちと。

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幼稚園のクラスでの授業風景。みんなが喋っているので落ち着かせているところ…

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幼稚園のクラスでの授業後に記念撮影。

 

日本の小学校で授業をしたことがないので、日本の子供たちの授業の反応は分かりませんが、チリの子どもたちはとても元気が良く、自己主張もはっきりしてきます。私が質問をすると我も我もと収拾がつかなくなるほど発言をしてきます。少しの時間でしたが、私が地球の裏側の日本という国から、このチリのウアラニェという小さい街に来て日本について話をしたことで、子供たちが少しでも日本に興味を持ってくれたり、理解を示してくれればと思っています。また、その他に学校の教員を対象にした、「姿勢の問題」についてのミニ講義をしたこともあります。

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学校の先生を対象にした「姿勢の問題」の講義中。BMI(Body Mass Index)について話をしているところ。

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仕事中でも少しずつ体を動かしましょうと指導をしているところ。

 

日本と同様に、チリでもスマホが影響する姿勢の問題を抱えた人が多く、学校の先生から、生徒の姿勢指導に役立ててもらえればと思っています。

 

過去の活動報告

活動報告8:理学療法士としての活動報告高齢者会議での活動

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6251

 

活動報告7:理学療法士としての活動報告個別理学療法

www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6194

 

 活動報告6:理学療法士としての活動報告訪問理学療法

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/その他/6156

 

活動報告5: チリの医療について

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6061

 

活動報告4:チリの食生活について

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/6027 

 

 活動報告3:チリでの活動について

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5920

 

活動報告2:派遣前訓練について

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5751

 

活動報告1:JICA青年海外協力隊について

http://www.yachiyo-reha.jp/blog/学院の特徴と紹介/5651


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